図 11昔の機械館

手動タイプライターのしくみ

パイカのタイプライターでは、文字も空白もピリオドも、1 打ごとにキャリッジを同じ 2.54 mm だけ左へ動かします。

手動タイプライターのしくみ
モデルを読み込んでいます

この端末では 3D を表示できません。下の解説のステップを文章で読むことができます。

1 / 8 電気のいらない機械このタイプライターは、指で押す力とばね一つだけで動きます。モデルは 40 文字の行に 2 つのパングラムを打っています。クリックして自分のキーボードで打つか、画面のキーを使ってください。

ドラッグで回転、ホイールか二本指で拡大します。

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キーから文字までの間に起こること

古い事務用タイプライターのキーを押すと、一瞬のうちに 3 つのことが起こります。機械の中から鋼の腕が跳ね上がり、カシャッという鋭い音とともに紙に文字が現れ、ローラー全体が少し左へ跳ねます。電源はつながっていません。エネルギーはあなたの指と、前にキャリッジを押し戻したときに自分で巻き上げたばねから来ているだけです。

上のモデルは、二十世紀のほとんどの間、事務所で使われていた種類の手動・前打ち式タイプライターです。自分のキーボードでも画面のキーでも打つことができ、このページでは各部品が、1 打の中で使われる順に働く様子を見せます。

1 打で使われる順に並べた部品

  1. キーとキーレバー:丸いキーは長いレバーの手前の端に付いています。
  2. 活字棒:レバーが、バスケットと呼ばれる半円に並んだ 40 本の鋼の腕のうち 1 本を引きます。
  3. 活字:活字棒の先の小さな塊で、2 つの文字が鏡文字で彫ってあります。
  4. リボン:活字と紙の間に持ち上げられる、インクを含ませた布の帯。
  5. プラテン:紙を支え、打撃を受け止めるゴムのローラー。
  6. エスケープメント:キャリッジをちょうど 1 文字分だけ進ませる、星形の車と揺れる爪。
  7. ぜんまい:ドラムの中に巻かれ、キャリッジを引くばね。
  8. ベル:行の終わり近くで鳴ります。
  9. 改行レバー:プラテンを次の行へ回し、キャリッジを押し戻します。
  10. シフト:キャリッジを持ち上げて、活字の 2 つ目の文字が印字されるようにします。

なぜ活字棒は大きく振れるのか

最初に商品になった機械、1874年のショールズ・アンド・グリデンでは、活字棒はキャリッジの下に輪になってぶら下がり、プラテンの下側を上向きに打っていました。タイピストはキャリッジを持ち上げないと、打っている行が見えませんでした。のちの「ビジブル」機はバスケットをプラテンの前に移し、活字棒が前向きに打つようにしました。1893年にドーティー・ビジブルが登場し、1896年のアンダーウッドが前打ちを普通の配置にしました。

ビジブル機の代償は幾何学です。40 本の活字棒はすべてプラテンの同じ小さな点に当たらなければなりませんが、支点は弧に沿って散らばっています。モデルでは、棒はどれも長さ 70 mm で、約 10 度下に傾いてほぼ水平に寝ており、先はフェルトのパッドに載っています。引かれると約 110 度振れ、下と手前から印字点に届きます。支点がその点を中心とする円の上にあるので、どの棒も同じ距離を動いて同じ場所に当たります。「中を見る」をオンにして、押した棒を見てください。扇から立ち上がり、リボンに触れて、また倒れます。

棒は最後まで押されるわけではありません。タイピストがキーを鋭く打つと、棒は残りの道のりを自分の勢いで飛び、プラテンに当たって跳ね返ります。本物の機械でゆっくり押すと、文字は薄くなるか、まったく印字されません。

リボンが紙にインクを付けるしくみ

活字が紙にじかに触れることはありません。間には、インクを含ませた布のリボンが 2 つのスプールに巻かれて走っています。多くのリボンは上半分が黒、下半分が赤の 2 色で、どちらの半分を打つかをレバーで選びました。モデルも黒と赤のリボンを使っています。

ふだんリボンは印字行より下にあり、タイピストはいま打った文字を読めます。リボンバイブレーターという細いガイドが、打つ直前にリボンをすき間に持ち上げ、打ったあとにまた下げます。1 打ごとにスプールが少し回り、次の文字は新しいインクに当たります。スローモーションの手順では、リボンが上がる、活字が来る、活字が戻る、リボンが下がる、という順番が見えます。

なぜキャリッジは 1 字ずつ進むのか

紙は 1 文字打つごとに 1 字分だけ左へ動かなければなりません。それも、1 字分だけです。キャリッジをただばねで引くだけなら、一瞬で端まで走ってしまいます。1 歩ずつ送り出す装置がエスケープメントで、ショールズ・アンド・グリデンが時計の機構から借りた考え方です。

モデルでは、キャリッジの下にラック、つまりまっすぐな歯の帯が固定されています。小さな小歯車がそれとかみ合い、同じ軸に 20 本のとがった歯をもつ星形の車が付いています。揺れる部品、爪が、星形の車の歯を一つ押さえています。ぜんまいはいつもキャリッジを左へ引いているので、星形の車は常に回ろうとしています。

キーが下がると、すべての活字棒の下にあるユニバーサルバーが爪を揺らします。一方の爪先が歯を放すと同時に、もう一方が入って次の歯を捕まえます。キーが上がると爪が揺れ戻り、星形の車はちょうど 1 歯だけ進みます。キャリッジは 1 字分動いて、また止まります。スペースバーも爪を動かすので、空白は文字とまったく同じ幅を取ります。

数字を確かめる

英語圏のタイプライターは、よく使われる 2 つの文字の大きさに落ち着きました。パイカは 1 インチに 10 文字、エリートは 12 文字を打ち、このモデルの行送りは 1 インチに 6 行です。モデルはパイカです。

  • 1 文字:25.4 mm / 10 = 2.54 mm。文字、空白、句読点のたびに、キャリッジはこれだけ動きます。
  • モデルの 1 行:40 文字 × 2.54 mm = 101.6 mm。
  • 1 行送り:25.4 mm / 6 = 4.23 mm。1½ 行送りなら 6.35 mm、ダブルスペースなら 8.47 mm です。
  • 小歯車は 20 歯で、20 文字ごとに 1 回転するので、ピッチ円の周は 20 × 2.54 mm = 50.8 mm、半径は 50.8 / 2π = 8.1 mm です。
  • 紙は米国レターサイズ 216 × 279 mm。上下に 30 mm ずつ空けると (279 − 60) / 4.23 = 51.8 なので、1 枚にシングルスペースで 52 行入ります。
  • モデルのプラテンは直径 38 mm。1 行送るには 4.23 / 19 = 0.22 ラジアン、約 12.8 度回ります。

この種のタイプライターでは、どの文字も同じ幅です。細い i も幅の広い M と同じだけ場所を取るので、タイプした紙面は縦の列がそろって見え、単語の中はすかすかに見えます。

ベルと行の終わり

タイピストは紙ではなく原稿を見ているので、行がもうすぐいっぱいになることを機械が知らせなければなりません。右マージンの数文字手前で小さなベルが打たれます。モデルでは終わりの 6 字手前、40 字中の 34 字目で鳴ります。短い単語を打ち終えるか、ハイフンを入れる余裕が残ります。

40 字目でマージンストップがキャリッジを止めます。モデルではキーは下がっても何も印字されず、改行するよう案内が出ます。本物の機械では、マージンリリースキーを押すと、ストップを越えてもう 1、2 文字押し込めました。

ひと押しでキャリッジ戻しと行送り

改行レバーはキャリッジの左端にあります。右へ押すと、2 つのことが順に起こります。レバーの最初の短い動きで、爪がプラテンの端のラチェット車を押し、プラテンを 1 行、1 行半、または 2 行分回します。それが済むとレバーはストップに当たり、残りの押しでキャリッジ全体が左マージンまで滑って戻ります。戻るときにぜんまいも巻き上げられ、次の行の準備が整います。

行間のスライダーを動かしてから、「改行」か Enter キーを押してみてください。設定ごとにラチェットの回る量が増え、打った行が紙の上で離れていきます。

シフト:1 本の活字棒に 2 文字

どの活字にも、上下に 2 つの文字が彫ってあります。上に大文字、下に小文字、または 2 つの記号です。ふだんは下の文字が印字点にそろっています。シフトを押すと部品が動き、上の文字がリボンに当たるようになります。モデルでは活字の 2 文字の間隔は 4.4 mm で、キャリッジも同じだけ持ち上がります。

ショールズ・アンド・グリデンは大文字しか打てませんでした。1878年のレミントン No. 2 は、シフトキーで大文字と小文字の両方を打てる最初のタイプライターで、1 本の活字棒が 2 本分の仕事をしました。作り方は 2 通りありました。キャリッジシフト機はキャリッジと紙を持ち上げます。バスケットシフト機はかわりに活字棒の扇全体を下げ、キャリッジは動かさないので、キャリッジを軽く動かせます。操作パネルの「バスケットシフト」をオンにすると、2 つ目の方式が見られます。ロックキーは、大文字を続けて打つためにシフトを押さえたままにします。

2 本の活字棒がからむとき

モデルでは活字棒の支点の間隔はわずか約 2.5 mm で、すべての棒が一つの印字点に集まります。1 本目が戻りきる前に 2 本目が上がり始めると、空中でぶつかってからまり、タイピストが手を入れて引き離さなければなりません。モデルでは、キーボードで上下に並んだキーが隣り合う活字棒を動かすので、q と a、a と z はバスケットの中で隣同士です。「活字棒のからみ」をオンにして a と q をすばやく続けて打つと、からむ様子が見られます。

これが、キー配列についての有名な話の背後にある機械の事実です。

QWERTY 配列はどこから来たか

ウィスコンシン州の印刷業者で新聞編集者のクリストファー・レイサム・ショールズは、カルロス・グリデン、サミュエル・W・ソウルとこの機械に取り組みました。その「Improvement in Type-Writing Machines」の特許は 1868年6月23日に認められました。最初の型はピアノのような鍵盤で、文字が 2 列、アルファベット順に並んでいました。

その後の 5 年間で、ショールズは何度もキーを並べ替えました。1870年4月には、大文字だけの 4 段の鍵盤ができていて、すでに現代のものにかなり近い形でした。1873年、出資者のジェームズ・デンスモアは製造権を、ニューヨーク州イリオンの銃とミシンのメーカー、E・レミントン・アンド・サンズに売りました。レミントンの機械工たちは数か月で配列を仕上げ、ショールズ・アンド・グリデンは 1874年に約 125 ドルで発売されました。

1878年8月27日のショールズの特許にある配列は今のものに近いのですが、同じではありません。0 と 1 のキーがなく、M は中段の端にあり、X と C が入れ替わっています。タイピストは数字の 1 に大文字の I か小文字の l を、0 に大文字の O を使い、モデルもこの習慣を残しています。1 のキーはなく、キーボードで 1 を打つと l が印字されます。QWERTY はレミントン No. 2 の成功とともに広まり、ほかのメーカーにも少しずつ採り入れられました。

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からみの話と、歴史家の意見が分かれるわけ

いちばんよく知られた説明は、ショールズがよく使う文字の組を離して活字棒がぶつからないようにした、というものです。タイピストを遅くするためだったという話もあります。特許や手紙までさかのぼった歴史家、たとえば京都大学の安岡孝一・安岡素子は、配列の歴史をそれより複雑だと見ています。

この話は成り立たないと考える人もいます。京都大学の安岡孝一と安岡素子は 2011年の論文で、特許と初期の利用者をたどって鍵盤の変遷を追いました。二人は、並び順はモールス信号を書き取るのにこの機械を使った電信技士の意見から生まれたもので、機械の構造が配列を決めたのではないと論じています。その一例として、アメリカ式モールス符号では Z の符号が SE の組と紛らわしいので、受信する人には S が Z にも E にも近いほうが都合がよい、という点を挙げています。また、送信者より打つのが遅い電信技士は取り残されてしまうので、タイピストを遅くするための配列では意味がない、とも指摘しています。この話に批判的な人たちは、英語で最も多い組の一つ「er」なのに E と R が隣り合っていることも付け加えます。

活字棒がからむことのありえない機械もありました。1872年のトーマス・エジソンの印字車式の装置、曲がった活字シャトルを使うハモンド、そして活字車と独自の「Ideal」配列をもつ 1893年のブリッケンスダーファーです。つまり QWERTY は、からみの問題に対する唯一の答えではありませんでした。

1874年より後のことは、資料で確かめやすくなります。オーガスト・ドボラックとウィリアム・ディーリーは 1932年に新しい配列の特許を出願し、1936年に認められました。初期の研究はこの配列に有利でしたが、その多くはドボラック自身によるものでした。1956年にアール・ストロングが米国一般調達局のために行った研究は利点を見いだしませんでしたが、この研究にも偏りがあったと批判する人がいます。経済学者ポール・デービッドは 1985年、早い時期の選択が固定されてしまう典型例として QWERTY を取り上げました。スタン・リーボウィッツとスティーブン・マーゴリスは 1990年、「The Fable of the Keys」で、ドボラック配列がはっきり速いという証拠は弱いと反論しました。この問題はいまも議論が続いており、モデルでは機械の部分を自分で試せます。

モデルと本物の機械の違い

  • キャリッジ全体が画面に収まるよう、1 行は 40 文字にしています。本物のキャリッジはずっと幅が広く、はるかに長い行を打てました。
  • モデルの活字棒は 40 本でシフトは一つです。本物の機械にはたいていキーがもう少しあり、タブ、マージンリリース、キャリッジを 1 歯戻すバックスペースもありました。
  • キーレバー、活字棒のつなぎ棒、ユニバーサルバーは、キーごとに 1 本のレバーに簡略化しています。エスケープメントは、爪先が 2 つある爪と 1 枚の星形の車で表しています。
  • 活字棒ごとに紙に当たる高さが少しずつ違うのは、使い込んだ機械をまねたものです。ずれの量は見た目のために決めたもので、実際の機械で測ったものではありません。
  • ベルの位置、マージンの 6 字手前は、モデルでは固定しています。本物の機械では、ベルは調節できる右マージンストップと連動しています。
  • 音はブラウザーで合成しており、オンにしたときだけ鳴ります。

指の力をてこの計算で考える

キーのてこはエネルギーを生み出しません。力と移動距離を交換します。活字棒は回転する質量なので、印字する前に加速する必要もあります。簡略化したリンクでキーが10 mm、出力側の連結棒が5 mm動くと仮定します。説明用の仮定であり、上の機械の実測値ではありません。指の平均力が2 Nなら、入力仕事は2 N × 0.010 m = 0.020 Jです。摩擦がなく、ばねにエネルギーが蓄えられなければ、出力は0.005 mにわたり平均4 Nの力を出せます。移動距離が短い分、力が大きくなります。

活字は駆動リンクの取り付け点より回転軸から遠くにあります。そのためリンクの小さな動きが活字の大きな動きになりますが、接線方向の力は小さくなります。キーのてこと活字棒全体の動きを、同じ比率だけでは説明できません。実機では打鍵中の角度によって有効なてこの腕の長さも変化します。静止した棒を持ち上げる初期の比率が、衝突直前と同じとは限りません。

模型の棒の長さは70 mm、回転角は約110度です。先端の描く円弧は約70 × 110 × π / 180 = 134 mmになります。これは曲線の経路であり、紙に向かって直線的に134 mm動く意味ではありません。また、この134 mmと仮定のキー移動10 mmを割って、実測された力の比とすることもできません。画面は力のシミュレーションではなく、変化するリンク形状や摩擦を計算していません。

短く素早い打鍵がゆっくりした押し方より有効な理由は、エネルギーから説明できます。この例に限り、入力仕事のうち0.010 Jが有効移動質量0.010 kgの運動エネルギーとして残ると仮定します。E = mv² / 2から、速度は√(2 × 0.010 / 0.010) = 1.41 m/sです。有効質量は衝突点に換算した等価質量であり、棒の実測重量ではありません。ばね、摩擦、他の可動部品が残りの入力エネルギーを使います。それでも最大衝突力はエネルギーだけから求められません。停止距離とリボン、紙、プラテンの変形に左右されるためです。硬いプラテンと柔らかいプラテンでは、同じ打撃でも印字が異なる場合があります。

ハングルは活字の交換だけでは書けない

英語用タイプライターの活字を替えるだけでは、自然な韓国語は書けません。ハングルは初声の子音、中声の母音、必要なら終声の子音を音節のまとまりに組み合わせます。各要素に独立した全幅のますを与えるのではなく、次の要素が入る位置を決める仕組みが必要です。終声の子音は、言語的に関連する初声の子音とも位置が異なります。

眼科医のコン・ビョンウは、この役割ごとにキーを分ける三組式を開発しました。国立ハングル博物館の説明は、1948年の開発と1949年の全国科学展覧会での受賞を区別しています。その後、1950年にアンダーウッドの協力で改良した試作機を説明しています。したがって1949年は記録された節目ですが、発明から製造まで全段階をその年にまとめる根拠にはなりません。同館の所蔵品解説は、ソン・ギジュの四組式とも比較しています。

三組とは初声、中声、終声の区分であり、キーの三段や、すべての音節を三回で打つ意味ではありません。終声のない音節には終声キーが不要です。コンの設計は素早い横書きの組み合わせを重視し、下端がそろわない文字は物干し綱風の書体と呼ばれました。整った正方形の文字と速い操作の間の実用的な折り合いです。上の展示はこの組み合わせを再現しません。固定幅のラテン活字と2.54 mmの送りは別の文字体系を示しています。このページに韓国語を入力しても、機構がハングルタイプライターに変わるわけではありません。

セレクトリックは動く部品を変える

1961年のIBMセレクトリックは、個々の活字棒の扇形配列を一つの印字部品に置き換えました。球形ヘッドを回転させ、傾けて88文字から選びます。ヘッドが印字行に沿って移動し、紙は水平方向には静止します。次の行へ送るときはプラテンが引き続き回転します。隣の棒が同じ隙間に上がらないため、従来の活字棒の絡まり方はなくなりました。他の故障は起こり得るので、その詰まりがなくても整備は必要です。

SFMOMAによるセレクトリックの修復記事は、球を交換すると書体を変えられることも説明しています。それでも初代セレクトリックはコンピューターではありません。文字の選択と打撃は電気機械式であり、電動機が仕事を供給することと、電子メモリーに文章を保存することは別です。IBMの歴史資料は磁気テープ式セレクトリックを1964年としています。文字を記録すれば文章を再利用できますが、このページの手動機は紙にだけ記録を残します。

後の電子タイプライターは入力と印字を分けられました。IBMは1978年のModel 75について15,500文字、ダブルスペースで約10ページを保存できると説明します。ページ数は余白や行間で変わるので、文字数の方が確かな値です。デイジーホイールも交換式の印字部品で、球ではなく平面です。サイエンス・ミュージアム・グループは1970-1976年のLegal Prestige Elite 12ホイールを所蔵します。モーターで文字を選び、ハンマーがその花びら状の部分を打ちます。紙面が似ていても、別々の軸で動く活字棒のバスケットではありません。

よくある誤解

実演で詰まることが示すのは、プログラムの条件で模型の棒二本が衝突できるということです。ショールズがQWERTYの各文字をなぜそこに置いたかの証明ではありません。安岡夫妻の2011年の論文は文献の変遷と電信での使用を調べています。機械アニメーションとは種類の異なる歴史的証拠です。実機でもキーボードの隣同士が、必ずバスケットの隣同士になるわけではありません。ここでの対応は意図的な簡略化です。

打鍵速度も試験方法がなければ不完全な数字です。短時間の連打、長時間の書き写し、訂正を伴う事務作業では測る内容が異なります。単語の定義と誤りの扱いを定めなければ、物理的な打鍵数を毎分単語数と直接比較できません。アニメーションの速度設定は再生を調整するもので、公認大会の試験でも指の力の測定でもありません。人間のタイピング記録として示すべきではありません。

最後に、文字ピッチと行間は独立しています。パイカの1インチ10文字は水平方向の送りを示し、文字の高さや1インチ六行という義務ではありません。その縦送りは模型の選択であり、実機の設定は行送り機構で決まります。行間を変えても2.54 mmの文字送り幅は狭くなりません。

画面で試す

物理キーボードを使う前に機械をクリックし、展示に入力が届く状態にします。内部表示を有効にして一文字を押し、活字棒が戻ってからもう一度押します。次に活字棒の衝突を有効にし、aとqをほぼ同時に押します。間隔を空けた打鍵と比べる対象は、印字された形ではなく時間的な重なりです。この試験は模型固有のバスケット対応に関するものです。

次にShiftを押しながら同じ文字を打ちます。どの組立部が動くかを見てからバスケットシフトに切り替え、繰り返します。同じ大文字でも、変位を作る組立部は変えられます。別の試験として行間を変え、リターンを使います。文字幅ではなくベースライン間の距離を見ます。リターンには紙送りと水平移動が含まれますが、別々の運動です。

余白を確かめるには新しい用紙から始め、ベルが鳴るまで文字と空白を入力します。空白も使用した桁として数えます。ベルから40桁の停止位置までは六文字分残ります。リターンは現在の行を延ばさず、次の行を始めます。これらの操作は実際の摩耗を測ったり歴史的な機械を修理したりしません。閉じた筐体内で通常速度では見えにくい動きを切り分けています。

ひとつの画面で 6 種の機械を試す

モデルの上の「機種」で機構全体を切り替えます。どの機種も同じ紙に、字送り 2.54 mm、行送り 4.23 mm で打つため、変わるのは文字を紙に届けるしくみだけです。

  • 前打ち式。 ここまで説明した機械です。活字棒がバスケットから上がってプラテンの前面を打つので、入力中の行が見えます。Science Museum Group は 1897 年のアンダーウッド 1 号を、印字面が使用者に向き、打鍵するまで活字棒が隠れている最初の機種としています。
  • ショールズ&グリデンの下から打つ方式。 44 本の活字棒がキャリッジの下に環状に並び、プラテンの底を打ち上げます。入力中の行は見えません。モデルでは約七行打つと最初の行が前に回ってきます。「キャリッジを上げる」で後方に倒して読むこともできます。レミントン 2 号の使用者もそうしていました。スミソニアンによる 1874 年型の説明どおり、大文字だけを印字します。
  • 活字輪。 小さな円筒に小文字・大文字・数字の 三段の活字があります。キーを押すと円筒が回って文字を選び、下と前へ動いて紙を打ちます。その途中でインクローラーが活字に触れます。Museums Victoria も Blick Featherweight の動作をこのように説明しています。大文字・数字キーはキャリッジを上げず、円筒の段を切り替えます。
  • タイプボール。 Science Museum Group によれば、1961 年の IBM 72、初代セレクトリックは、交換できる 1 個のヘッドに 88 文字を備えていました。モデルではボールが回転・傾斜して文字を選び、紙を打ちます。キャリッジは静止し、ボールのキャリアが行に沿って移動します。「活字ヘッド」で交換すると、同じ行の途中でも書体が変わります。
  • ハングル三ボル式。 前打ち式の機体で、コン・ビョンウの鍵盤の考え方を試します。しくみは次の節で説明します。
  • デイジーホイール。 1980 年代風の電子式です。モデルでは 96 枚の花弁を持つ平たい円盤が回り、目的の花弁が上に来るとハンマーが打ちます。この機種の後退キーは、修正テープのように直前の文字を紙からはがします。花弁数はモデル独自の設定です。Science Museum Group の Qume の円盤が実物の例です。

追加した機械は、どれも特定の製造番号の実機を複製したものではありません。寸法と色は画面用に決めています。資料に沿っているのは、印字するときの各動作の順序です。

コン・ビョンウの 2 つの印字点

ハングルの音節は、初声の子音、母音、ときには終声の子音をひとつの字の枠に収めます。キーを押すたびに 1 字進む機械では、それが 3 字分に分かれてしまいます。コンの米国特許 2,625,251 は、1949 年 7 月 8 日に出願され、1953 年 1 月 13 日に成立しました。解決策は 2 つの印字点です。第 1 群のキーは第 1 印字点に初声を打ち、キャリッジを進めます。第 2 群はそこから 1 字左の第 2 印字点に母音と終声を打ち、キャリッジを動かしません。たとえば「ハン」では、初声ヒウッを打って進んだあと、母音アと終声ニウンが初声の位置に重なります。

モデルでは白いキーが初声、緑のキーが母音と終声で、左端の濃い緑が終声です。国立ハングル博物館も、右に初声、左に母音、左端に終声という分類を説明しています。画面の細かな配列はモデル独自のもので、1949 年の配列表の複製ではありません。各要素の字形がひとつずつなので、終声のない音節は短く、ある音節は縦長になります。同館は、この不ぞろいな下端を物干し綱にたとえた呼び名を紹介し、三ボル式にはわずか 67 種の要素で足りたと記しています。「三ボル式」は、初声・母音・終声を別々のキー群に分ける方式です。

韓国の文化遺産記録によれば、最初の量産型はコンのためにアンダーウッドが製造して韓国へ送り、朝鮮戦争中にも使われました。「三ボル式でハングルを入力」の課題で、字送りをしないキーの働きを試せます。

博物館の記録から集めた 52 台の図鑑

「図鑑」では、博物館の目録にある 52 台を見られます。主な資料はロンドンの Science Museum Group で、国立ハングル博物館、韓国の文化遺産登録簿、スミソニアン、Museums Victoria の記録も使っています。各カードには、博物館が付けた年代、メーカー、製造国、印字方式、鍵盤、文字を載せています。国や鍵盤が資料にないときは、推測せず「記録なし」と表示します。

前打ち式、下から打つ方式、活字輪、指標式、タイプボール、デイジーホイールなどの方式や、年代・国・文字で絞り込めます。機種名とメーカー名でも検索できます。3D のあるカードを開くと、その方式の機械が画面に出ます。マリング・ハンセンのライティングボールや、中国語・日本語の活字トレー式など、モデルのない方式はカードだけです。1890 年代には下から打つレミントン、指標式、活字輪の携帯機が並行して売られていました。一覧からは、異なる方式が長く共存したことも分かります。

配列を比べる実験

「配列実験」は 6 種の鍵盤で同じ文を打ち、隣り合う活字棒を続けて使う回数を数えます。このモデルで 2 本がからむのは、その場合だけです。列 i、行 r のキーが活字棒 4i + r を動かすという接続はモデル独自の規則です。実機の接続順は異なるため、特定の機種の検証ではありません。

この規則で 133 文字の英語例文を打つと、隣り合う文字対は QWERTY が 108 対中 4 対(3.7%)、AZERTY が 106 対中 4 対、QWERTZ が 108 対中 4 対、ドヴォラックが 108 対中 1 対です。50 音節の韓国語例文では、二ボル式が 108 対中 2 対、モデルの三ボル式が 107 対中 0 対です。三ボル式の母音・終声キーは別の列にあるためです。いずれも小さな数で、接続を変えれば結果も変わります。ショールズが配列を選んだ理由の証明にはなりません。歴史の問いには文献が必要です。下に挙げた安岡論文と Liebowitz・Margolis の論文が手がかりになります。

よくある質問

なぜ活字棒ではなくキャリッジが動くのですか?

すべての活字棒は一つの決まった印字点で出会うので、紙のほうがそこへ来なければなりません。1 打ごとにキャリッジを 1 字分動かすと、次の文字が前の文字の隣に並びます。

キャリッジが行の端まで走ってしまわないのはなぜですか?

エスケープメントがあるからです。キャリッジとかみ合った星形の車を揺れる爪が押さえていて、1 打ごとに 1 歯だけ回らせます。パイカの機械なら 2.54 mm です。

タイプライターはなぜベルを鳴らすのですか?

タイピストは紙ではなく原稿を見ているので、ベルで行がもうすぐいっぱいになることを知らせます。モデルではマージンの 6 字手前で鳴ります。

初期のタイプライターに 0 と 1 のキーがなかったのはなぜですか?

設計を簡単にし、製造と修理の費用を抑えるために省かれました。タイピストは 0 に大文字の O を、1 に大文字の I か小文字の l を使いました。1878年のショールズの特許図面には、どちらの数字のキーもありません。

QWERTY は活字棒のからみを防ぐために作られたのですか?

よく知られた話ですが、異論があります。文字の出現頻度を調べたとする資料もある一方、安岡・安岡は、配列を形づくったのは電信技士の必要であり、からみ説には証拠が足りないと論じています。

パイカとエリートの違いは何ですか?

パイカは 1 インチに 10 文字、エリートは 12 文字を打ちます。同じ 1 インチに 6 行の送りを使えば、エリートの紙面は 1 行の文字数が多く、行数は同じです。

キャリッジシフトとバスケットシフトとは何ですか?

どちらも 1 本の活字棒で 2 つの文字を打てるようにする方式です。キャリッジシフトはキャリッジと紙を持ち上げ、バスケットシフトは活字棒を下げます。操作パネルの「バスケットシフト」で両方を見られます。

タイプした紙面の列がそろって見えるのはなぜですか?

パイカの機械では i でも M でも、どの文字も同じ 2.54 mm を取るので、文字が行から行へ縦の列にそろいます。

活字棒を長くするとエネルギーが増えますか?

いいえ。リンクは力と距離を交換し、摩擦やばねが入力仕事の一部を使います。てこの計算例は仮定であり、指の力の実測値ではありません。

最初のセレクトリックは電子ワープロでしたか?

いいえ。1961年のセレクトリックは活字球を電気機械式で選びました。IBMが磁気テープによる文字記録を加えたのは1964年です。電動機だけでは文章を記憶できません。

ショールズ&グリデンで入力中の文字が見えないのはなぜですか?

活字棒がプラテンの底を打つためです。紙が数行分回ると、入力した行が見えてきます。モデルの「キャリッジを上げる」はキャリッジを後方に倒し、その行を読めるようにします。

ハングル三ボル式は、どうやって音節を 1 字分に収めるのですか?

コン・ビョンウの特許では印字点を 2 つ設けています。初声は第 1 印字点で打ってキャリッジを進め、母音と終声は 1 字左で打ち、キャリッジを止めたままにします。

タイプボールに活字棒がいらないのはなぜですか?

ボール自体にすべての文字があり、IBM 72 では 88 文字あります。回転と傾斜で選んで紙を打つだけです。多数の棒がひとつの点に向かって上がらないので、からむこともありません。

1 分間の課題は何を測りますか?

最初の打鍵から、行が例文と一致するか 60 秒が経過するまで、空白も含めた打鍵を数え、毎分の打鍵数を示します。モデルで遊ぶための目安で、公認のタイピング試験ではありません。

用語

  • 活字棒:活字を載せ、跳ね上がってリボンを打つ鋼の腕。
  • 活字:活字棒の先にある小さな字の塊。2 つの文字が鏡文字で彫ってある。
  • バスケット(セグメント):活字棒が並び、支点で振れる半円の部分。
  • プラテン:紙を支え、打撃を受け止めるゴムのローラー。
  • キャリッジ:プラテンと紙を載せて動く枠。
  • エスケープメント:1 打ごとにキャリッジを 1 字分進ませる星形の車と爪。
  • ラックと小歯車:まっすぐな歯の帯と、それにかみ合う小さな歯車。
  • リボンバイブレーター:打つたびにリボンを印字点まで持ち上げるガイド。
  • 行送り:新しい行のために紙が動く距離。シングルスペースで 4.23 mm。
  • パイカ / エリート:1 インチに 10 文字と 12 文字の文字ピッチ。
  • キャリッジリターン:行送りとともに、キャリッジを左マージンへ戻すこと。
  • アンダーストライク / フロントストライク:活字棒がプラテンを下から見えないところで打つ方式と、前から見えるところで打つ方式。

参考資料

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