図 47しくみ館

機械式時計を分解してテンプの動きを見る

爪ほどの大きさのテンプが 1 秒に 8 回振れ、そのたびに歯車を半歯ずつ進めます。

機械式時計を分解してテンプの動きを見る
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1 / 10 ムーブメント全体直径約 26 mm の手巻きムーブメントを、受けを付けたまま裏側から見たところです。ドラッグで裏返し、スクロールかピンチで拡大できます。

ドラッグで回転、ホイールか二本指で拡大します。

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機械式時計の中にあるもの

機械式時計に電池はいりません。巻いたぜんまいがエネルギーをため、毎秒 8 回行き来するテンプがそれを同じ大きさの歩みで送り出します。機械式時計を耳に当てると、速く規則正しいチクタクが聞こえます。壁掛け時計よりずっと速い音です。この音はどこから来るのでしょうか。そして、なぜこれほど一定なのでしょうか。この展示では手巻きムーブメントをまるごと開き、りゅうずを回す指から秒針のステップまで、エネルギーの流れを追います。

モデルは時刻だけを示す直径約 26 mm のムーブメントで、紳士用腕時計によくあるキャリバーの大きさです。受けを付けたまま裏側から見ると、エネルギーが通る順に部品が並んでいます。りゅうずが香箱の中の巻かれたぜんまいを巻き上げます。香箱は輪列と呼ばれる一続きの歯車を回します。輪列の終わりではがんぎ車をアンクルが止めては放し、そのアンクルを動かすのが、ひげぜんまいの上で行ったり来たり振れるテンプです。

いくつかの数値は公開資料から取ったもので、実際の時計と同じです。よく使われる振動数 21,600 振動/時と 28,800 振動/時がそうです。15 歯のがんぎ車、約 8 時間で 1 回転する香箱、5 回転で約 40 時間動くぜんまい、各車の歯数、テンプの慣性モーメント、振り角の曲線の形はモデルの値で、計算が合い、動きが見やすくなるように選びました。どちらなのかは本文で示します。

エネルギーの出どころ:ぜんまい

腕時計は、振り子時計のようにおもりをひもで吊るすことができません。動く腕に着けられ、あらゆる向きに回されるからです。そのかわり、ばね鋼の長い帯を香箱という円筒の中に巻き込み、そこにエネルギーをためます。

りゅうずを回すと、巻真が小さなきち車を回します。きち車は丸穴車を回し、丸穴車は香箱の芯の上にある角穴車を回します。芯が回ると、ぜんまいの内側の端が芯のまわりにきつく巻き付きます。ばねで押された小さな爪、こはぜが角穴車の歯に掛かり、芯が逆に戻らないようにします。展示で「ぜんまいの巻き上げ」スライダーを上げると、りゅうずが回り、角穴車が進み、香箱の中の渦が芯のほうへ締まっていく様子が見えます。

ぜんまいの外側の端は香箱の内壁に引っ掛けてあります。ぜんまいはほどけようとするので香箱そのものを回し、香箱のふちに切った歯が時計の残りの部分を動かします。モデルのぜんまいは全巻きで約 40 時間動きます(モデルの値)。毎日同じ時刻に巻くなら、少し遅れても約 16 時間の余裕があります。

時間を秒に変える歯車

香箱はゆっくり回ります。このモデルでは香箱の 96 枚の歯が二番車の 12 枚のカナを回すので、香箱 1 回転につき二番車は 8 回転します。二番車は 1 時間に 1 回転するので、香箱は 8 時間に 1 回転です。

二番車から先で輪列は速くなります。二番車の 80 枚の歯が三番車の 10 枚のカナを回し(8 対 1)、三番車の 75 枚の歯が四番車の 10 枚のカナを回します(7.5 対 1)。掛け合わせると四番車は 1 時間に 60 回転、つまり 1 分に 1 回転し、スモールセコンドの針を載せられます。さらに四番車の 96 枚の歯ががんぎ車の 6 枚のカナを回し、ここでまた 16 対 1 になります。

止めるものが何もなければ、ぜんまいはこの輪列を一瞬で回しきってしまい、針は文字盤の上を駆け回ります。ムーブメントの残りの部分は、輪列を小さく等間隔なステップでしか進ませないためにあります。

アンクル脱進機が輪列を半歯ずつ進ませるしくみ

現代の時計のがんぎ車は鋼製で、先の平たいクラブ歯と呼ばれる歯が 15 枚あります。その隣でアンクルが軸のまわりに揺れます。アンクルの一方の端には合成ルビーの爪石が 2 個、入爪と出爪が付いています。もう一方の端はテンプに向いた二股の溝、ハコです。

ほとんどの時間、がんぎ車の歯の一つが爪石に当たって止まり、車はロックされています。アンクルはドテピンにもたれて静止しています。その間、テンプは何にも触れずに自由に振れています。

テンプが中心を通って戻ってくると、振り座にある小さなルビーのピン、振り石がハコに入り、アンクルを反対側へはじきます。これで爪石が歯から外れます。これがアンロックです。歯は爪石の斜めの面を滑りながらアンクルを最後まで押し、アンクルは今度は振り石を押します。この一押し、インパルスが、テンプが前の振動で摩擦により失ったわずかなエネルギーを補います。そのあと車は一瞬自由に回り、別の歯がもう一方の爪石に落ちて止まります。この着地が、耳に聞こえるチクタクの一音です。

次の振動では同じことが左右逆に起こります。1 振動ごとにがんぎ車は半歯、15 歯の車なら 12 度進みます。「1 振動をスローモーションで」のステップを選ぶと、展示は実際の1/50の速さになり、振り石がハコに入り、アンクルがはじかれ、車が前へ跳ぶ様子を追えます。

テンプが時を刻める理由

テンプは天真に付いた小さく重い輪です。ひげぜんまいは平らな渦巻きばねで、内側の端は天真に、外側の端はテンプ受けのひげ持ちに留めてあります。テンプを回すとばねが締まって押し返します。回すほど強く、角度に比例して押し返します。ねじりばねについてのフックの法則です。

このような輪とばねはねじり振り子になります。その周期は

T = 2π√(I/κ)

です。ここで I はテンプの慣性モーメント、κ(カッパ)はひげぜんまいのかたさ、つまりねじれ 1 ラジアンあたりのトルクです。戻すトルクが角度に比例するので、少なくとも理想的な場合には、周期はテンプがどれだけ大きく振れるかによりません。この性質を等時性といいます。巻き上げた直後でテンプが大きく振れていても、一日の終わりに少し小さくなっていても、時計がほぼ同じ歩度を保てるのはこのためです。

このモデルでは、ぜんまいを全巻きにしたとき、テンプは静止位置から左右それぞれ 300 度振れます(モデルの値)。端から端までで 1 回転半以上、それを 1 秒に 4 回です。

数値を計算してみる

時計師は、一方向への一回の振れである「振動」を数えます。**28,800 振動/時(英語で vph)**のムーブメントは 28,800 ÷ 3,600 = 毎秒 8 振動です。2 振動で 1 往復なので、周波数は 4 Hz、周期は 0.25 s です。

秒針は 1 振動ごとに 1 回進むので、この時計では 1 秒に 8 回、6° ÷ 8 = 1 ステップ 0.75° ずつ跳びます。21,600 振動/時なら 1° のステップが 6 回、36,000 振動/時なら 0.6° のステップが 10 回です。「振動数」スライダーを動かすと、表示が変わります。そのときモデルは四番車とがんぎカナの比を取り替えて、針が正しい時刻を保つようにしています。実際のムーブメントは一つの振動数のためだけに作られます。

がんぎ車は 1 往復で 1 歯、つまり半歯のステップ 2 回分を放します。4 Hz なら 1 秒に 4 歯で、15 歯の車は 4 × 60 ÷ 15 = 1 分に 16 回転します。四番車は 1 分に 1 回転なので、その間の歯車比は 16 対 1 でなければならず、それがここで使っている 96/6 です。

テンプそのものには、モデルでは I = 1.0 × 10⁻⁹ kg·m²(10 mg·cm²)を使っています。この大きさのテンプとして妥当な範囲にあるモデルの値です。4 Hz にするには、ひげぜんまいのかたさは κ = I(2πf)² = 1.0 × 10⁻⁹ × (8π)² ≈ ラジアンあたり 6.32 × 10⁻⁷ N·m でなければなりません。これを T = 2π√(I/κ) に戻すと 0.250 s になります。半径 4.6 mm の輪とすると、この慣性モーメントは約 47 mg の外周に相当します。

この式は、時計がなぜこれほど敏感なのかも示しています。周波数は √(κ/I) に比例するので、ひげぜんまいが 1% かたいと周波数は約 0.5% 上がり、時計は 1 日に約 431 秒進みます。1 日 1 秒の誤差は 11.6 ppm にあたります。

全巻きのあいだに輪列が数える振動はとても多くなります。香箱 1 回転はがんぎ車の 8 × 60 × 16 = 7,680 回転、つまり 7,680 × 15 × 2 = 230,400 振動で、28,800 振動/時でちょうど 8 時間です。5 回転なら 1,152,000 振動で、これが 40 時間のパワーリザーブです。1 年でテンプは 252,288,000 回振れます。

これらの数値は手計算でも確かめてあり、ここに書いた数とすべて合っています。

腕時計は揺らしても動き、振り子時計は動かない理由

この博物館の振り子時計は、1 秒に 1 回振れる 99.4 cm の棒で時を刻みます。戻す力は重力なので、時計は静かにまっすぐ立っていなければなりません。傾けると拍子が不ぞろいになり、持ち歩くと振り子の振れが乱れます。

テンプは重力のかわりにひげぜんまいのトルクを使います。ばねは時計をどう持っても同じだけ押し返し、よくできたテンプは釣り合いが取れています。重心が天真の軸の上にあるので、まっすぐな衝撃は輪を回すのではなく、ほぞを押すだけです。だから腕時計は、振っている腕でも、キーボードを打つ手でも、逆さまでも動き続けます。

完全ではありません。ほんのわずかな釣り合いの狂いや、ほぞが先端で立っているときと横に寝ているときの摩擦の違いで、姿勢ごとに歩度が変わります。時計師は、よいムーブメントを文字盤上、りゅうず下など複数の姿勢で調整し、その差を小さくします。強い衝撃は、テンプの石のまわりのばねで支えた受けが吸収します。これが耐震装置で、もろい天真を逃がしてから元に戻します。

もう一つの違いは速さです。秒振り子は1秒に1振動、このてんぷは8振動です。同じ長さの外乱が周期に占める割合は、振動数が高いほど小さくなるのではなく大きくなります。歩度への影響は、てんぷの位相、衝撃量、蓄積エネルギーにも依存します。振動数だけで耐衝撃性は決まりません。

石と摩擦の問題

どの軸も、地板と受けにある二つの穴の中で回り、鋼のほぞの直径は0.1ミリほどしかありません。やわらかい真ちゅうの穴では、数年で穴が楕円にすり減ってしまいます。1704 年、ロンドンでニコラ・ファシオ・ド・デュイリエとドボーフル兄弟が、宝石に穴をあけて時計の軸受にする方法の特許を取りました。今の石は合成ルビーで、非常にかたく、なめらかで、油の一滴をその場にとどめておけます。

展示の時刻だけを示すムーブメントは 17 石のフルジュエルです。テンプには穴石 2 個、受石 2 個と振り石があります。アンクルには穴石 2 個と爪石 2 個があります。がんぎ車、四番車、三番車、二番車にはそれぞれ穴石が 2 個あります。香箱には石がありません。回転がとても遅く、摩擦があまり問題にならないからです。自動巻きムーブメントでは、巻き上げ用のローターのために石が増えます。

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パワーリザーブと、ぜんまいがほどけていくと起こること

巻いたばねは一様には押しません。全巻きのときがいちばん強く、終わり近くでいちばん弱くなります。トルクが下がると 1 振動ごとのインパルスが小さくなり、テンプの振れも小さくなります。モデルでは振り角が左右それぞれ約 300° から始まり、最後の数時間で 140° 近くまで下がります。これはモデルの値ですが、その傾向はどの時計にも見られるものです。

「ぜんまいの巻き上げ」スライダーを下げて、表示を見てください。残りが数時間を切ると振り角は急に下がります。持ち上がり角(テンプがアンクルを動かすのに必要な角度で、このモデルでは 50°)の半分を下回ると、振り石は脱進機のロックを外せなくなり、テンプにまだ十分な動きが残っていても時計は止まります。受けの上のパワーリザーブ表示は 0 から 40 時間の目盛りの上を動く小さな針で、同じ数値を示します。

実際のテンプは完全には等時ではないので、振り角が下がると歩度が少しずれます。よい時計がぜんまいのトルク曲線の平らな中ほどを使って振り角を高く保つのも、毎日同じ時刻に巻くと歩度が安定しやすいのも、これが理由の一つです。

モデルが単純にしているところ

モデルは、動きが見えるように、実物より大きく、部品を厚く、すき間を広く描いています。各車の歯数は筋の通ったモデルの輪列で、特定のキャリバーのものではありません。テンプの慣性モーメント、持ち上がり角、振り角の曲線はモデルの値です。振動数を変えると、モデルは別のがんぎカナに付け替えたかのようにふるまい、針が正しい時刻を保ちます。また、何時間も待たずに効果が見えるよう、振り角は実際のテンプより速く巻き上げに反応します。

温度、姿勢、磁気、緩急針による日差もモデルです。そのうち公表された値は二つあります。ふつうの鋼のひげぜんまいは 1 °C ごとに一日約 11 秒遅れ、ISO 764 は 4,800 A/m、約 6 mT の磁場で耐磁性を試験します。テンプの重い点の大きさ、磁石の強さ、縦姿勢の摩擦、合金とシリコンの値は、それぞれの効果の向きとおおよその大きさを見せるために決めたモデル値です。

時計の脱進機ができるまで

最初の携帯時計はぜんまいで動いていましたが、ばねのないテンプで調速していたので、歩度はぜんまいの押す強さしだいでした。17 世紀後半にひげぜんまいが加わり、これが変わりました。クリスティアーン・ホイヘンスが 1675 年に渦巻き形のひげぜんまいを発表しました。初期のひげぜんまい付き時計でさえ、それ以前のどんな時計よりもはるかに正確でした。

アンクル脱進機は 1754 年にイギリスの時計師トーマス・マッジが発明し、彼が 1770 年にシャーロット王妃のために作った時計が、これを使った最初の時計とみられています。テンプは 1 振動のほとんどの間、脱進機から離れて自由に振れるため、アンクル脱進機は標準となり、今日作られる機械式時計のほぼすべてがこれを使っています。

今日よく使われる振動数は 21,600、28,800、36,000 振動/時です。

1日の振動数と5秒の誤差

28,800 vphでは1日に28,800 × 24 = 691,200回振動します。完全な往復は半分の345,600回です。時計の振動は半周期を数えますが、Hzは完全な周期を数えます。4 Hzと毎秒8振動は同じ振動子の表現です。

基準の86,400秒に対して時計が5秒進んだと仮定します。相対的な歩度誤差は5 ÷ 86,400 = 0.00005787、約57.87 ppmです。平均の進み方の比較であり、各振動に同じ誤差があるという意味ではありません。一定なら7日後には35秒進みます。針を合わせると蓄積した差は消えますが、歩度は調整されず翌日また進みます。調速は振動子の速さを、時刻合わせは表示を変えます。

歯車は速すぎるてんぷを補正しません。脱進機の解放を数えるだけで、基準の1秒は知りません。模型の二番車から四番車への比は(80 ÷ 10) × (75 ÷ 10) = 60です。二番車が毎時1回転すれば四番車は毎時60回転、毎分1回転になります。最後の96 ÷ 6 = 16が4 Hzで必要なガンギ車の回転数を作ります。比が違えば、振動子が正確でも針の速さが狂います。

持続時間は別の測定です。香箱の有効5回転に1回転あたり8時間を掛けて40時間、24時間後は16時間という模型の計算です。エネルギー消費が一定、あるいは振り角が残り時間に比例するという意味ではありません。残量計は巻き上げ状態から時間を推定し、てんぷは実際のトルクに反応します。グランドセイコーは4 Hzの9S65に約72時間、5 Hzの9SA5に約80時間を示しています。振動数だけで持続時間は決まらず、ぜんまい容量と機構全体の効率も重要です。

温度と姿勢によるクロノメーター試験

ひげぜんまいは弾性材料であり数学的な定数ではありません。温度は剛性とてんぷの寸法を変え、潤滑油や脱進機も結果に影響します。現代の合金やシリコンは一部の感度を減らしますが、室温の小さな誤差だけで全温度での性能は判断できません。セイコーの案内は温度、磁気、姿勢を機械式精度の要因として挙げています。

姿勢が変わると、てん真の荷重を受ける部分も変わります。文字板上、文字板下、りゅうず下では歩度が異なりえます。垂直ではぜんまいの伸縮が非対称になる場合もあります。調整は都合のよい姿勢で進みを遅くするだけでなく、複数の姿勢を考慮します。腕では日中の姿勢と巻き上げの履歴が組み合わさります。

COSCの従来の機械式クロノメーター認定はISO 3159に基づきます。公開手順では15日間、5姿勢、3温度の8°C、23°C、38°Cで試験します。よく示される平均日差−4~+6秒は通常の大型区分の基準です。これだけで合格するわけではなく、日ごとの変動、姿勢差、温度応答、歩度の復元も確認します。すべての腕で毎日の誤差がこの範囲に入る保証ではありません。

完成時計に異なる条件を適用するCOSCのExcellence認定とは区別が必要です。精度試験を表すクロノメーターと、時間間隔を測るクロノグラフも別です。グランドセイコーは独自基準で17日間、6姿勢の試験を行います。広告の最小値だけでなく試験条件を比較する必要があります。いまはこの展示でも温度、試験用の六つの姿勢、磁石の影響をモデル値で見られますが、COSC の試験手順全体を行うわけではありません。

トゥールビヨンが平均化する誤差

ブレゲは1801年6月26日にトゥールビヨンの特許を取得しました。回転ケージにてんぷと脱進機の組立体を載せます。伝統的な1分回転ケージは、懐中時計が動かなくても機構を複数の垂直方向へ向けます。所有者が時計を回さなくても、一部の姿勢差を平均化できます。

向かい合う垂直姿勢で同じ大きさの進みと遅れが出る単純な仮定を考えます。同じ時間を過ごせば平均が0に近づく可能性があります。実際の誤差は同じ大きさとは限らず、完全に相殺しない場合もあります。回転しても重力は消えません。単軸の機構はあらゆる腕の姿勢を他のすべての姿勢に変えるわけでもありません。結果は調整とムーブメントの誤差分布に依存します。

トゥールビヨンは動く質量と機械的仕事を増やします。温度感度、汚れた油、調速不良はなくなりません。見える回転だけで、よく調整された通常の機構より正確とは証明できません。英国科学博物館は1808年にジョージIII世のために作られた4分回転の時計を記録しています。すべてが1分回転ではありません。この模型のてんぷ支持部は固定で、部品表示にも隠れたトゥールビヨン操作はありません。

安価なデジタル時計より先に始まったクオーツ化

セイコーは1969年12月25日にクオーツ アストロンを発売しました。アナログ文字板と電池駆動の水晶振動子を使うため、変化は針から光る数字への置き換えだけではありません。メーカーの技術史では当初の振動数は8,192 Hz、公称精度は月差±5秒です。後には32,768 Hzが一般的になりました。後年の振動数を最初のアストロンに当てはめると歴史的仕様が変わってしまいます。

クオーツは調速機と周期の数え方を変えます。電子回路で高周波信号を分周し、ステップモーターが水晶の振動よりはるかに長い間隔で針を進めます。毎秒1歩だからといって水晶が毎秒1回しか振動しないわけではありません。滑らかな秒針もひげぜんまいの存在を証明しません。針は設計された出力であり振動子そのものの観察ではありません。

1969年の製品は高価な初期製品で、全機械式工場が即座に不要になった証拠ではありません。セイコーは発売後の信頼性と量産の改善も説明しています。普及は正確な時間計測の経済性を変え、スイス側からはクオーツ危機と呼ばれます。アナログクオーツにもモーターと針の間に歯車は必要です。不要になったのは、その方式で調速に使うぜんまい駆動のてんぷと脱進機です。

画面のムーブメントで行う実験

3D 画面から始めてください。りゅうずをドラッグすると、香箱のふたが透けて、ぜんまいが香箱真に巻き締まっていくのが見え、パワーリザーブの針が 40 時間のほうへ上がります。テンプを押さえたままにすると、秒針も一緒に止まり、日差の表示も止まります。離すときにはじくと、はじいた勢いの振り角で動き出し、やがてぜんまいが保てる振り角に戻ります。

次に条件をひとつずつ変えて、日差の表示を読んでください。この表示は正確な時計の横で 20 秒ごとに一日を進めます。ひげぜんまいを鋼にして温度を 38 °C にすると、差は一日に何分も開き、エリンバー系やシリコンに替えるとほとんど止まります。姿勢でりゅうず下を選ぶと時計が立ちます。ぜんまいをほどいていくと、重い点による誤差は振り角 220° 付近で消え、そのあと符号が変わります。赤い磁石をケースに押し当てると鋼のひげぜんまいの巻きがくっつき、磁石を離しても「磁気を抜く」を押すまで時計は進み続けます。緩急針はテンプ受けの上の針を動かし、どちらへも一日最大 60 秒変えます。

分解では、時計師と同じ順番で部品を手で取り出せます。テンプより受けが先、アンクルよりテンプが先です。ぜんまいが巻かれたままアンクルを外すと、輪列が暴走します。操作の下のチャレンジはこれらの実験をまとめたもので、ムーブメント比較の一覧はこの振動子をハリソンの H4、クオーツ、セシウム時計と比べます。ステージの数字はあくまでモデル値で、特定の時計がどう動くかはわかりません。

よくある質問

28,800 vph とはどういう意味ですか?

テンプが 1 時間に 28,800 回の片道の振れ、つまり振動をするという意味です。1 秒に 8 振動、往復で数えれば 1 秒に 4 往復なので、周波数は 4 Hz、1 往復は 0.25 s です。

機械式時計の秒針が、1 秒に 1 回跳ぶのではなく滑らかに動くのはなぜですか?

実は滑らかに動いているわけではありません。1 振動ごとに 1 回進むので、28,800 振動/時なら 1 秒に 0.75° の小さなステップを 8 回刻みます。ステップが小さく速すぎて目で見分けられないため、流れるように見えるのです。クオーツ時計のステップモーターは、ふつう 1 秒に 1 回針を動かします。

振動数は高いほどよいのですか?

高振動では秒針の刻みが細かくなります。ただし消費エネルギーと摩耗は慣性、振り角、脱進機、潤滑にも依存します。高振動が必ず高精度や速い摩耗を意味するわけではありません。一般的な値には21,600、28,800、36,000 vphがあり、機構全体で比較する必要があります。

時計に石が入っているのはなぜですか?

ほぞはとても小さく、何年も止まらずに回り続けるので、かたく、なめらかで、油を保てる軸受面が必要です。合成ルビーはその三つを満たします。宝石としての価値はほとんどなく、摩擦と摩耗を減らすために入っています。

手巻き時計は巻きすぎることがありますか?

ぜんまいが全巻きになると、りゅうずはそれ以上回らなくなります。無理に回すとぜんまいが切れることがあります。自動巻きムーブメントでは、ぜんまいの外側の端にスリッピングアタッチメントがあり、それ以上締まるかわりに香箱の内壁を滑ります。

ぜんまいが完全にほどける前に時計が止まるのはなぜですか?

テンプは、振り石をハコまで運んで爪石のロックを外せるだけ大きく振れなければなりません。ぜんまいが弱るとインパルスが小さくなり、振り角が下がり、その点を下回ると、ぜんまいにまだ少しエネルギーが残っていても脱進機はロックされたままになります。

機械式時計に電池は必要ですか?

いいえ。エネルギーはすべてぜんまいから来ます。ぜんまいはりゅうずから手で巻くか、自動巻き時計なら腕の動きで回るローターが巻きます。

日差5秒は1回の振動が失敗したという意味ですか?

いいえ。86,400秒で5秒進む場合、平均歩度は約57.87 ppmです。多数の振動にわたり蓄積する場合もあり、一定の歩度と一時的な乱れを区別するには記録が必要です。

トゥールビヨンは重力を消しますか?

いいえ。調速機を回して一部の姿勢差を平均化します。重力を消したり、すべての姿勢で高精度を保証したりするものではありません。

最初のアストロンも現在のクオーツ振動数でしたか?

いいえ。1969年のクオーツ アストロンは8,192 Hzでした。後に一般的になった値は32,768 Hzで、どちらも秒針が動く回数を直接示しません。

用語

  • テンプ:行ったり来たり振れて歩度を決める、重みのある輪。
  • ひげぜんまい:テンプを中心へ戻す平らな渦巻きばね。そのかたさが κ。
  • 振動:テンプの一方向への 1 回の振れ。2 振動で 1 往復。
  • vph(振動/時):1 時間あたりの振動数。28,800 振動/時 = 毎秒 8 振動 = 4 Hz。
  • がんぎ車:輪列の最後の車。半歯ずつ放される。
  • アンクル:がんぎ車とテンプの間にあるレバー。ルビーの爪石が 2 個ある。
  • 振り石:テンプの振り座にあるルビーのピン。アンクルを動かす。
  • 持ち上がり角:1 振動のうち、テンプがアンクルとつながっている角度。
  • 振り角:テンプが静止位置からどれだけ振れるか。単位は度。
  • 等時性:振り角が変わっても周期が変わらないこと。
  • パワーリザーブ:全巻きで時計が動き続ける時間。
  • 香箱:ぜんまいを収める歯付きの円筒。

参考資料

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