図 13昔の機械館
計算尺の使い方:模型を動かして計算する
25 cm 型では 2 が 1 から 75.3 mm にあります。250 × log 2 = 75.3 だからです。二つの長さをつなぐと数の掛け算になります。
この端末では 3D を表示できません。下の解説のステップを文章で読むことができます。
1 / 15 掛け算をする物差し9 本の目盛を持つ 25 cm の Mannheim 式です。模型の滑尺やカーソルをドラッグするか、「操作」のスライダーを使います。隅に基線の下の全目盛と設定した積が出ます。
ドラッグで回転、ホイールか二本指で拡大します。
模型でわかること
計算尺の使い方は、滑尺とカーソルを動かして答えを読むことです。3.14 × 2.72 なら、およそ 8.54 と読み取れます。ポケット電卓がなかった時代、技師は長い筆算をする必要がありませんでした。胸ポケットから計算尺を出し、中央の細い尺を数センチ動かし、小さな窓を滑らせて答えを読んだのです。数秒で終わり、電池も要りません。この展示はその道具を実際に操作できる模型にしたもので、木の尺をずらすとなぜ掛け算になるのかを説明します。
模型は、20 世紀に何百万本も売られた 25 cm の Mannheim 式計算尺です。互いに動く部分が 3 つあります。固定尺は、両端の金具でつないだ上下の本体です。その間の溝を滑尺が動きます。カーソルは、赤い基線のある透明な窓で、全体の上を滑ります。目盛は 9 本です。固定尺の上側に K と A、下側に D、S、T、L、滑尺に B、CI、C があります。
滑尺とカーソルは、模型をマウスや指で直接ドラッグするか、「操作」のスライダーで動かせます。隅の表示欄には、基線の下にある各目盛の値が並びます。その下には、設定した掛け算が表示されます。C の指標の下にある D の数と、基線の下にある C の数を掛け、それぞれの対数、正確な積、計算尺の読み取り値を比べられます。
机には同じ原理を使う道具がさらに 3 つあり、「道具」で切り替えられます。Apollo の乗員が携行したものに似た、黄色いアルミ製の 15 cm ポケット計算尺、直径 10 cm の円形計算尺、現在も操縦士が使い方を学ぶ E6B 航空計算盤です。操作欄の下には、6 つの課題、任意の問題を計算尺に設定する計算機、時間を計る 33 問の問題集、読み取り誤差の表、39 の歴史的な計算尺と使用者の一覧があります。
なぜ掛け算が足し算になるのか
普通の物差しを 2 本並べると、足し算の道具になります。上の物差しの 0 を下の 3 に合わせ、上の 4 の下を見ると、下には 7 があります。長さは足し合わせられます。
計算尺も同じことを、別の目盛で行います。対数目盛では、左端の 1 から数 v までの距離は v ではなく、その対数に比例します。
x(v) = 250 mm × log v
この計算尺では、2 は 250 × 0.30103 = 75.3 mm、3 は 250 × 0.47712 = 119.3 mm、6 は 250 × 0.77815 = 194.5 mm の位置です。最初の 2 つの長さを足すと、75.3 + 119.3 = 194.5 mm で、ちょうど 6 の位置になります。log a + log b = log (a × b) という関係を、木とセルロイドで表したものです。C の左端を D の 2 に合わせ、C の 3 の下を読む操作で長さが加わり、D 目盛が合計の長さを数に戻します。
割り算は同じ動きを逆にします。log a − log b = log (a ÷ b) だからです。長さを引くのは、足すのと同じくらい簡単です。
固定尺の下にある L 目盛は、この仕組みを見せてくれます。D に沿った、0 から 1 までの等間隔の目盛です。基線を D の 2 に置くと、L は 2 の対数である 0.301 を示します。計算尺の前には、印刷した対数表で値を調べ、手で足して、合計をもう一度表で調べていました。L はその表の小さな版です。
目盛を読む
C と D は左の指標の 1 から右の 10 まであり、右ほど詰まっています。1 と 2 の間は 75.3 mm ですが、9 と 10 の間は 250 × log (10/9) = 11.4 mm しかありません。製作者は場所によって分割数を変えます。この模型では、1 から 2 は 0.01 ごと、2 から 4 は 0.02 ごと、4 から 10 は 0.05 ごとです。
最小間隔の実際の幅から、各部分の読みやすさがわかります。
- 1.00 と 1.01 の間は、250 × log 1.01 = 1.08 mm
- 2.00 と 2.02 の間も 1.08 mm です。2.02/2 = 1.01 だからです。
- 4.00 と 4.05 の間は、250 × log 1.0125 = 1.35 mm
- 8.50 と 8.55 の間は、250 × log (8.55/8.5) = 0.64 mm
- 9.95 と 10 の間は 0.54 mm
計算尺は小数点の位置を教えません。D に 6 と出ても、答えが 0.6、6、6,000 のどれかは概算で判断します。技師は 10 の累乗を紙に記録し、科学的記数法もよく使いました。
模型で掛け算と割り算をする
2 × 3 を計算します。C の左の指標、赤いくさびで示した左端の 1 を D の 2 に合わせます。基線を C の 3 に動かすと、その下の D は 6 です。表示欄は log 0.301 + 0.477 = 0.778 を示し、10^0.778 は 6 になります。
答えが端から出ることもあります。7 × 4 で左の指標を D7 に合わせると、C4 は D の左端から 211.3 + 150.5 = 361.8 mm に来て、250 mm の目盛を越えます。この場合は C の右端の 10、右の指標を使います。C10 を D7 に合わせると、250 × (log 7 − 1) = −38.7 mm なので、滑尺は左へ 38.7 mm 移動します。基線を C4 に置くと D は 2.8 です。実際には 7 × 4 ÷ 10 を計算しており、小数点を自分で直して 28 と読みます。
8.4 ÷ 2.1 では、基線を D の 8.4 に置き、その下に C の 2.1 を合わせ、C の指標の下の D を読みます。答えは 4 です。log 8.4 から log 2.1 を引き、0.924 − 0.322 = 0.602、つまり log 4 を求めています。
連続計算では特に時間を節約できます。8.4 ÷ 2.1 × 1.5 なら、割り算の後で滑尺を動かさず、基線だけ C の 1.5 に動かします。D は 6 を示し、8 ÷ 2 × 1.5 はおよそ 6 という概算で小数点を確認できます。途中の 4 を読んだり書いたりする必要はありません。
平方、平方根、逆数
A と B は同じ 250 mm に 1 から 10 の目盛を 2 回収めるので、数 v は 125 × log v にあります。D 上の 250 × log u の点は、125 × log v = 250 × log u を満たす A の v に対応します。つまり v = u² です。基線を D の 3 に置くと A は 9 です。上に読むと平方、下に読むと平方根です。A の 50 は 125 × log 50 = 212.4 mm にあり、下の D は 50 の平方根 7.07 を示します。A のどちら側を使うかが重要です。左半分の 5 なら 2.24、右半分の 50 なら 7.07 です。
CI は C を逆向きに印刷した目盛で、通常は赤色です。数 v は 250 × (1 − log v) = 250 × log (10/v)、つまり C の 10/v の位置にあります。基線の下の CI は、C の逆数を小数点が一つずれた形で示します。基線が C4 にあると CI は 2.5 なので、1/4 = 0.25 と読みます。CI の値を掛けることは同じ位置の C の値で割ることと同じで、滑尺を何度も戻さずに連続した割り算を掛け算へ置き換えられます。
K の立方と S・T の角度
固定尺の端の K は、A よりさらに圧縮した目盛です。250 mm に 1 から 10 を 3 回収め、v は 83.3 × log v にあります。D の u と K の u³ がそろいます。基線を D の 2 に置くと K は 8、2.5 なら 15.6 で、正確な 15.625 に近い値です。K から下に読むと立方根になり、A と同様に出発する区間が答えを決めます。K の最初の三分の一にある 2 は 1.26、中央の 20 は 2.71、最後の 200 は 5.85 になります。
D の下の S と T には角度があります。S の角度 θ は、D が 10 × sin θ を示す 250 mm × log (10 sin θ) に置かれます。基線を S の 30 に合わせると D は 5 で、sin 30° = 0.5 と読みます。sin 5.74° = 0.1 なので、5.74° より小さいと左端を越えます。小さな角度では sin θ がラジアン表示の θ、つまりおよそ θ ÷ 57.3 に近いことを利用しました。模型で赤い T は、5.71° から 45° の正接で同じ働きをします。20 に合わせると D は 3.64 なので tan 20° = 0.364 です。45° より大きい角度では tan θ = 1 / tan (90° − θ) を使い、CI で逆数を読みます。
S と T は D と同じ固定尺上にあるので、三角関数の値をそのまま掛け算に使えます。70° に立てた長さ 12 m のはしごの高さなら、基線を S の 70 に置き、その下に C の右の指標を合わせ、基線を C の 1.2 に動かします。D は 1.13 なので、上端の高さは 11.3 m です。
対数目盛のでき方
「目盛を作る」では D の線がどこから来るかを見られます。机上の紙テープは、1 から 10 を 27.8 mm の等間隔で並べた普通の物差しから始まります。操作すると各印が 250 mm × log v に移動します。2 は 27.8 mm から 75.3 mm、5 は 111.1 mm から 174.7 mm へ動き、10 は 250 mm に残ります。オレンジ色の線は D の同じ数に着きます。対数目盛は、普通の目盛の位置を移したものなのです。
製作者は、刃物を決まった距離ずつ動かして停止位置に線を刻む目盛切り機械を使いました。位置は対数表から求めました。細かく分けるほど線が増えます。模型では C と D に各 321 本、A の 2 つの対数区間全体に 321 本、K の 3 つの対数区間に 226 本を描いています。
計算尺は何桁まで読めるか
3.14 × 2.72 を試します。左の指標を 3.14、基線を 2.72 に置きます。正確な積は 8.5408 です。表示欄の読み取り値は 8.54 で、差は −0.0094% です。8.5 付近の D は 0.05 ごとに分けられ、線の間隔は 0.64 mm です。基線は 8.50 から 8.55 までのおよそ五分の四にあるので 8.54 と読みます。4 桁目には、その 0.64 mm を 50 分割する必要があります。「設定誤差」では小さなずれの影響がわかります。青い線が急いだ目で合わせそうな位置を示し、表示欄が誤差の割合を示します。
誤差の大きさは目盛の式から求められます。基線を Δx 動かすと、値は一定の割合で変わります。
Δv / v ≈ ln 10 × Δx / 250 mm
したがって 1 mm の誤差は、どの位置でも 2.3026/250 = 0.92% です。0.1 mm まで丁寧に合わせれば 0.092% です。左の指標付近では 0.0009 なので、1.234 の 4 桁目を推測できるほど小さくなります。右の指標付近では 9 × 0.00092 = 0.008 なので、9.87 程度が限界です。通常は刻線で 2 桁を読み、3 桁目を目分量で補います。
誤差は目盛全長の一定割合なので、長い目盛ほど細かく読めます。50 cm の計算尺なら割合は半分です。丸ごと 1 桁増やすには長さを 10 倍の 2.5 m にする必要があり、長尺の計算器は目盛をらせん状にしたり円筒に巻いたりしました。
机にある四つの道具
25 cm の計算尺は、学生や技師がよく持っていたものです。ポケット型は同じ道具を短くしたものです。黄色い 15 cm の模型は、同じ目盛を長さ 0.6 倍にしています。答えは同じですが、読み取りは粗くなります。150 mm 上の 0.1 mm のずれは 0.15% に相当し、250 mm では 0.09% です。National Air and Space Museum の Apollo 13 の Pickett N600-ES は 15.24 cm × 3.81 cm で、アルミとプラスチック製です。資料によると、NASA は技師に人気があり、宇宙用の変更が不要だったため採用しました。
円形計算尺は、固定した外輪に D、内側の回転円板に C を置きます。円には端がないので指標を変える必要がありません。円板の 1 を 7 に、腕を 4 に合わせると D はすぐ 2.8 を示します。直径 10 cm の盤では外輪と円板の境界が中心から 36 mm なので、目盛長は 2π × 36 = 226 mm です。半分の長さの本体で、直線の 25 cm 型に近い目盛長を得られます。
E6B 航空計算盤は操縦士用の目盛を持つ円形計算尺です。外側は距離や燃料、内側は分として読みます。内側の 60 の赤い矢印は速度の指標です。速度は 60 分あたりの距離だからです。120 ノットなら矢印を 120 の下に置き、内側の 45 の上を見ると外側は 90 海里です。同じ設定で、120 ノットで 90 海里進む時間という逆の問いにも答えられます。技師として学んだ海軍操縦士 Philip Dalton が 1930 年代に開発したもので、E6B は今も操縦士の学科試験に向けて教えられます。
模型で練習する
「操作」の下の課題では、ドラッグかスライダーで答えを自分で設定します。ボタンを押した時ではなく、計算尺が答えを示した時に完了になります。内容は 3.14 × 2.72、8.4 ÷ 2.1、50 の平方根、sin 30°、E6B での 45 分の飛行区間、問題集での 5 問連続正解です。
問題集には 25 cm の計算尺で解ける 33 問があり、2 × 3 から tan 40° まで扱います。模型で解いて読み取った値を入力し、「確認」を押します。正確な値の 0.5% 以内なら正解で、丁寧に 3 桁を読む精度に相当します。計時は最初の回答で始まり、5 問連続正解で終わります。最速記録はブラウザーに残ります。「計算尺で表示」では現在の問題を手順ごとに再生します。
本物の計算尺との違い
寸法の比率と目盛配置は一般的な 25 cm 型に従います。C と D の区切り、A、B、CI は上の式から描いているので、実際に値を読めます。一方で次の点を簡略化しています。
- 技術用計算尺は、ここにある 9 本より多い目盛を持つのが普通です。CF、DF、CIF の折り返し目盛や、累乗用の log log 目盛などです。S と T が滑尺の裏にある機種も多いですが、模型は一つの面に置き、カーソルでまとめて読めるようにしています。
- ポケット型、円形、E6B は各形式の代表で、特定の品を複製していません。E6B の風計算面は単純な格子で示します。
- 表示欄は滑尺とカーソルの正確な位置から計算し、有効数字 3 桁に丸めます。本物では目で丸めるため、光、視差、基線の細さによって読みが変わります。
- 模型の滑尺には摩擦がなく、金具の締め付けも調節できません。本物では端の金具のねじを緩め、動きの固さを調整します。
- 3.14 の例は π ではなく 3.14 を使います。C と D の π 印は 3.1416 にあり、3.1416 × 2.7183 = 8.5397 です。
Napier の対数表からポケット電卓へ
John Napier は 1614 年の Mirifici logarithmorum canonis descriptio で対数を説明しました。1620 年ごろ、Edmund Gunter は物差しに対数目盛を 1 本描き、ディバイダーで長さを移して掛け算をしました。船乗りはそれを「gunter」と呼びました。計算尺そのものは、1622 年ごろに 2 本の目盛を並べてずらした William Oughtred の発明とされるのが一般的です。彼は 1630 年ごろの円形型も作りました。
Isaac Newton は 1675 年にカーソルに似たものを提案しましたが、広まりませんでした。先に専門用の計算尺が現れます。Henry Coggeshall が 1677 年に改良した大工用は 200 年使われ、酒だる用は内容量と物品税を求めました。1799 年には James Watt と Matthew Boulton の Soho 型が蒸気機関の設計に使われていました。後に類語辞典を著す Peter Roget は 1815 年に累乗用 log log 目盛を発明しました。模型の配置は、1850 年代のフランス砲兵将校 Amédée Mannheim に由来し、資料の年代は 1850 年から 1859 年まで幅があります。彼は主な計算に C と D、平方に A と B、目盛をまたぐ読みにカーソルを使いました。米国の Keuffel と Esser は後に CI を加えました。Dennert & Pape や Faber などドイツの製作者は木にセルロイドを貼り、William Cox の 1891 年の両面型は両面の目盛を一つのカーソルで読みました。桁を増やすために目盛は巻かれました。George Fuller の 1878 年の円筒計算器は、41 フィート、約 12.5 m の目盛をらせん状にしました。1922 年に特許を得た Otis King のポケット円筒型は、66 インチ、約 168 cm を、直径 1.2 インチ、約 3 cm の筒に収めました。日本の Hemmi は竹にセルロイドを貼り、1960 年代には年に約 100 万本を製造しました。Oughtred Society は 20 世紀の製造数を約 4,000 万本とする推計を紹介しています。Pickett の計算尺は Apollo に予備として搭載され、1970 年 4 月の Apollo 13 の品は現在 National Air and Space Museum にあります。Wernher von Braun は Nestler 23 で Redstone ロケットの推力曲線を計算し、E. H. Lowry は Dietzgen で Golden Gate Bridge の取り付け道路を設計しました。
終わりは急でした。最初の携帯型関数電卓 Hewlett-Packard の HP-35 は、1972 年に 395 米ドルで発売されました。数年で安価な電卓が普及し、計算尺は過去の道具になりました。Apollo の機体を最後に使った 1975 年の Apollo-Soyuz では、乗員は計算尺でなく Hewlett-Packard のポケット電卓を持ち込みました。
丸めた答えが次の計算で問題になる理由
有効数字 3 桁は、二つの長さの比較や燃料余裕の見積もりには通常十分です。しかし、その後の計算でも 3 桁の有用な値が残る保証はありません。3.14 × 2.72 と 8.54 の差が必要だとします。特定の機械の測定値ではなく、計算例のために選んだ数です。正確な積は 8.5408、差は 0.0008 です。先に読み取り値を丸めて 8.54 と紙に書くと、引き算はゼロになります。積は非常に近かったのに、求めたい差の情報がすべて失われます。
引き算自体は計算尺の操作ではなく、別に紙で行います。大きな途中結果の小さな割合の誤差でも、小さな最終結果を上回ることがあります。正確な積の追加の桁は、この損失を説明しますが、刻まれた目盛を細かくはしません。表示は比較のためであり、表示された全桁を人が目盛から読める証拠ではありません。
滑尺を動かす前に予想する桁の大きさを書き、近い量の引き算は掛け算と分けると確認に役立ちます。必要な差がどちらかの量の不確かさより小さければ、長い計算尺か別の方法が必要です。同じ読みを繰り返しても丸めで失われた情報は戻りません。この例は対数目盛の式と上記の有効数字 3 桁の表示から導かれ、この引き算が問題集に入っているとは仮定しません。
よくある質問
なぜ目盛の間隔が等しくないのですか。
数の位置は対数に比例し、この計算尺では x = 250 mm × log v です。対数は初めに大きく、後でゆっくり増えるので、1 と 2 の 75.3 mm は、9 と 10 の 11.4 mm より広くなります。
長さを足すとなぜ掛け算になるのですか。
log a + log b = log (a × b) だからです。C を D に沿ってずらすと log a と log b の長さがつながり、D はその合計を対数に持つ数を示します。2 × 3 なら 75.3 mm + 119.3 mm = 194.5 mm で、6 の位置です。
計算尺の精度はどれくらいですか。
25 cm 型で有効数字およそ 3 桁です。0.1 mm の設定誤差は値の 0.092% で、左端付近では 0.0009、右端では約 0.008 です。1 の近くなら 4 桁目を推測できることもあります。
小数点はどこに置きますか。
計算尺は教えません。答えの大きさを別に概算します。7 × 4 では 2.8 と出ますが、30 近くだと見当をつけて 28 と書きます。
A と B は何に使いますか。
平方と平方根です。C、D と同じ長さに 2 つの対数区間を収め、A の値の下の D が平方根になります。基線を D3 に置くと A は 9 です。
CI は何をしますか。
C の逆向きの目盛です。基線の下で C の逆数を示し、C4 は CI の 2.5、つまり 0.25 に対応します。CI の値を掛けると C の値で割ったことになり、長い計算で滑尺の移動を減らせます。
足し算や引き算はできますか。
直接はできません。目盛は対数を足して数を掛けます。2 + 3 には、L のような通常の線形目盛が必要ですが、その使い方は一般的ではありません。
なぜ技師は計算尺を使わなくなったのですか。
電子式のポケット電卓は多くの桁を示し、小数点も決めてくれました。HP-35 は 1972 年に登場し、数年でずっと安い電卓が広まりました。
K は何に使いますか。
立方と立方根です。K は D と同じ長さに 3 つの対数区間を持ち、基線を D の 2 に置くと K は 8 です。K から下へ立方根を読み、出発する三分の一の区間で答えが変わります。
正弦はどう求めますか。
S の角度に基線を置き、D を読みます。D は正弦の 10 倍で、30° なら 5、つまり 0.5 です。45° までの正接も T で同じように読めます。約 5.7° 未満なら、sin θ と tan θ が角度のラジアン値に近いことを使います。
円形計算尺は直線型より優れていますか。
端から答えが出ないので指標を変えず、長い目盛を小さく収められます。一方、数が回転して読みにくく、内側の目盛は外側より短いという欠点があります。
E6B はどう動くのですか。
円形計算尺です。外側は距離や燃料、内側は分で、60 の矢印が 1 時間です。速度の下に矢印を合わせると、任意の時間の上の外側の目盛が進んだ距離を示します。裏面には風を補正する可動格子があります。
宇宙飛行士は本当に計算尺を持ち込みましたか。
はい。NASA は Apollo 用に 5 インチの Pickett N600-ES を選び、Apollo 13 の品は National Air and Space Museum にあります。航法は誘導コンピューターが担当し、計算尺は日常の計算と予備に使われました。
掛け算には何秒かかりましたか。
慣れた人なら数秒で設定して読めました。問題集では 5 問連続回答を計時し、練習による速さの変化を確かめられます。
用語
- 常用対数は、ある数を作る 10 の指数です。log 100 = 2、log 2 = 0.301 です。
- 固定尺は、両端の金具でつないだ上下の固定部分です。
- 滑尺は、固定尺に沿って動く中央の尺です。
- カーソルは、基線のある可動窓で、離れた目盛を対応させて読みます。
- 指標は、C や D の端にある 1 です。
- C と Dは、掛け算と割り算に使う 1 から 10 の主対数目盛です。
- A と Bは、平方と平方根に使う 1 から 100 の 2 つの対数区間の対数目盛です。
- CIは、逆数を示す逆向きの C です。
- Lは、D の常用対数を示す 0 から 1 の等間隔目盛です。
- Kは、立方と立方根に使う 1 から 1,000 の 3 つの対数区間の対数目盛です。
- S と Tは、D が正弦や正接の 10 倍を示す角度目盛です。
- 両面計算尺は、両面の目盛を一つのカーソルで読める計算尺です。
- E6Bは、60 分の位置に速度指標がある操縦士用の円形計算尺です。
- 有効数字は、情報を持つ数字です。8.54 は 3 桁です。
参考資料
- The Oughtred Society, Slide Rule History (Napier、Gunter、Oughtred、Newton のカーソル、Mannheim、K&E と CI 目盛、Apollo、約 4,000 万本という推計). https://www.oughtred.org/history.shtml (確認日 2026-10-15)
- MacTutor History of Mathematics, University of St Andrews, John Napier (Mirifici logarithmorum canonis descriptio、1614 年). https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Napier/ (確認日 2026-10-15)
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- MacTutor History of Mathematics, University of St Andrews, William Oughtred (初期の計算尺、1630 年の円形計算尺). https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Oughtred/ (確認日 2026-10-15)
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- HP Virtual Museum, HP-35 handheld scientific calculator, 1972 (初の科学技術用ポケット電卓で、計算尺を急速に置き換えた). https://www.hp.com/hpinfo/abouthp/histnfacts/museum/personalsystems/0023/index.html (確認日 2026-10-17)
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- National Air and Space Museum, Don't Know What a Slide Rule is For (von Braun の計算尺、Space Vehicle Pocket Designer、Apollo-Soyuz の電卓). https://airandspace.si.edu/stories/editorial/dont-know-what-slide-rule (確認日 2026-10-18)
- National Air and Space Museum, Slide Rule, Space Vehicle Pocket Designer. https://airandspace.si.edu/collection-objects/slide-rule-space-vehicle-pocket-designer/nasm_A20170087000 (確認日 2026-10-18)
- The Museum of HP Calculators, Cylindrical Slide Rules (Fuller の 41 フィートの目盛、Otis King の 66 インチの目盛). https://www.hpmuseum.org/srcyl.htm (確認日 2026-10-18)
- Science Museum Group, Otis King Calculator, cylindrical slide rule, England, 1920-1939. https://collection.sciencemuseumgroup.org.uk/objects/co148287/otis-king-calculator-cylindrical-slide-rule-england-1920-1939 (確認日 2026-10-18)
- Gleim Aviation, Celebrating the E-6B's 80th Birthday (Philip Dalton、推測航法用の計算盤). https://aviation.gleim.com/2019/12/27/celebrating-the-e-6bs-80th-birthday/ (確認日 2026-10-18)
- Charles Petzold and others, The Lost Art of Logarithms、第 1 章 (1622 年ごろの Oughtred). https://www.lostartoflogarithms.com/chapter01/ (確認日 2026-10-18)
- このページの計算: 位置は x = 250 mm × log v (C, D)、125 mm × log v (A, B)、250 mm × (1 − log v) (CI)、83.3 mm × log v (K)、250 mm × log (10 sin θ) (S)、250 mm × log (10 tan θ) (T)、読み取り誤差は Δv/v ≈ ln 10 × Δx / 250 mm による。
解説とシミュレーションは CC BY-NC-SA 4.0(特記のあるものを除く)。
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